【呪術廻戦】夏油傑と(不本意ながら)婚約しました

14. ……確信犯め ページ16

夜蛾先生とも話終わり、教室に戻ると夏油が待ち構えていた。

「話はどうだった？」

『お説教と婚約のこと話してきた。夏油が先生に恋愛相談してたなんて意外」

「まぁ、先生に期待はしていなかったけどね。
……それよりA、そろそろ私の呼び方を変えてほしいんだ」


そう言って夏油は私の頭に手を乗せる。それがあまりにも流れるような綺麗な動作だったから、目線は夏油の手を追ってしまう。すると、私たちの視線が絡み合った。


最近気がついた。夏油と視線が絡むと、何故だか視線を逸らせなくなる。
そして絶対、夏油はそれに気がついていてわざとやっている。……確信犯め。


観念した私は、仕方なく話を続ける。

『……呼び方？』

「そう。婚約者なのにAは私のことをいつまで経っても”夏油”としか呼んでくれないだろ？
出来れば、そうだな……。私は”傑”って呼んでもらいたい。
ダメかな？」

『……イヤだ」

「どうして？」

『……今更名前で呼ぶなんて恥ずかしいから……』


私は同期のことを苗字で呼ぶ。
最初は硝子のことも”家入”と呼んでいたのだけれど、同期そして同性であるということで仲良くなり”硝子”呼びになった。

決して、苗字で呼ぶ＝友達ではないとかそういうわけではない。ただ、もうそれが癖になってしまっている。


「Aにそういう癖があるのは知っているよ。それでもダメかい？」

芯の通った切長の瞳で訴えられかけてしまってはもうこちらに拒否権はない。

15.それはデートのお誘いってこと？→←13. ……うん、だよね

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