【呪術廻戦】夏油傑と(不本意ながら)婚約しました

02.何だか丸め込まれている気がする…… ページ2

苦笑いを浮かべながら、夏油はこう言った。

「私たちは呪術師としての階級は高くても、一般家庭出身だ。
学生のうちは良くても、今後呪術師としてやっていくと何かと家柄の問題が出てくる」

『ん〜、まぁ確かに。
五条とか家のことで大変そうだしね』

私が素直に肯定すると、夏油の表情は苦笑いからいつもの胡散臭い笑顔に変わった。

「そう。だから私たちが婚約していることで、何か家柄のことで問題が起きた時に、お互いがお互いを守ることができる」

続けて夏油はこう言った。

「術師は非術師を守るためにある。でも、その前に術師にも人権はある。
婚約することで術師としての私たちの人権が保たれると思うんだ。どうかな？」

夏油の言い分は大変に理解できたし、上層部に家柄のことをネチネチと言われてきた私にとってはもってこいの提案だった。

『……夏油って、詐欺師とか教祖とか向いてそうだよね』

「そうかい？褒め言葉として受け取っておくよ。
……で？私と婚約してくれる気にはなった？」

胡散臭い笑顔の夏油の視線が私だけに降り注いでいる。

綺麗な顔で思わず目を逸らしてくなったけど、ここで目を逸らすと負けな気がして私もじっと夏油を見た。

『何だか丸め込まれている気がするけど、いいよ。家柄の件は実際に私も困ってたし』

「本当かい！？」

夏油の顔がパアッと効果音がつきそうなぐらいに明るくなる。

『でも婚約者って言っても名ばかりだし、家柄のこと以外で助け合うこととかある？』

「大丈夫さ。絶対に後悔はさせないから」

そう笑った夏油は何だかとても眩しかった。
でもそれは、教室に入ってきている西陽のせいだ。……きっと。

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