朝顔 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:5,087 hit

7. ページ7

.

とりあえず、すぐ近くの自分の家まで、ななみを連れていった。

ソファにゆっくりと下ろしていると、キッチンから駆け寄ってくる母さん。

母「あら！ななみちゃん！
雄登も、久しぶりにななみちゃん連れてきちゃ
って、どうしたの？」

『すみません…』

困ったように眉を下げるななみ。
無理やり立ち上がろうとするのを押さえつけて、母さんに事情を説明した。

母「大丈夫？今お茶と毛布持ってくるわね」

『ありがとうございます…』

母さんが部屋の外に言って、二人きり。

沈黙を破ったのは、ななみだった。

『雄登、ありがと、、』

「別にいいよ」

さすがに、ちょっと冷たかったかな、と思った。

「最初、ななみふざけてんのかなと思った」

『ふざけてないよ』

「きっと疲れたんでしょ、知らないけど」

『話すの久しぶりだもんね』

「明日は学校休みなよ」

『そうする』

結局、その日の夜までななみを世話して、抱えながら隣の家に送っていった。

ななみと話すのは、久々だったし、正直緊張した。

でも、あんなに中身が変わらないとは思わなかった。

根が真面目で、人にしっかり感謝できる性格。

小さな頃から、全く変わらなくて。

ななみを抱えたときの、香水とは違った柔らかい匂いが、頭から離れなかった。

.