黒の組織の子

9話 ページ9

最近、パパとママに内緒で来ているところがある。


「シェリー！またきたよ！」


とらわれの身であるシェリーが閉じ込められてる牢獄だ。


「貴女ね…来ちゃダメって言ったでしょう？パパとママに怒られるよ。」


「シェリー、いなくなっちゃやだ」



ここ数年の間にAとよく遊んでいたスコッチが死に、さらにはライもノックだとバレて組織から姿をくらました。

このことはまだ幼いAにとっては耐え難いことであり、恐ろしいことだった。故に彼女は今、大好きな誰かを失うことに心の底から怯えている。



「大丈夫。私は死なないわ」



「パパとママがね、悪い人なのA知ってるよ。スコッチとライが正義のヒーローだったこともね、Aはわかってたの。でもね、悪い人も正義のヒーローもAにとってはどっちでもよくてみんなAの大好きな１人の人なんだよ」


彼女は頭がよかった。シェリーがこの場を去ることもきっと察知していたんだろう。自分に言い聞かせるように悲しい顔で話していた。



白と黒に大好きな人がいる。



自分は白なのか、黒なのか。



幼い彼女を縛る鎖はあまりにも冷たく重く彼女を締め上げていた。





「シェリー、また来たy.....シェリー！」






そしてシェリーは忽然と姿を消した





また、彼女の目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。

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