黒の組織の子

16話 ページ16

「ただいまーーー！！！」



「おかえりA転校生の歓迎会に参加させてもらってたんだっけ？あゆみちゃんたちといたの？」


「そうだよ！哀って子が転校生でね、すごい頭良くってやさしいの！」


「おうA帰ってたのか」


「パパもただいま〜！あっ、手洗うの忘れてた！洗ってくる！」


「うがいもちゃんとしろよ」



パタパタとかけていくA。シェリーがいなくなって悲しんではいるが元気な一面が見えて安心する親たちだが…


「シェリーが見つからねえのは問題だな」


「ええ…。あの毒薬の開発ができない。とはいえ、Aが元気になったのはよかった。転校生に感謝しなくちゃね」


「ああ」


親たちはこうしてまたシェリー探しに勤しむことになる。まさか転校生が小さくなったシェリーだとも知らずに



「(だめだ、シェリーが転校生だってママたちにばれたらシェリーがまたいなくなっちゃう。そんなのは絶対にだめ。私が、シェリーを守る)」


そして愛する愛娘がシェリーを匿っているとしらずに。


歯車はどんどんずれていく。親と子は、互いのことを何もしらない。今までも、これからも。愛しているからこそ、わかることができないのだ。

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