黒の組織の子

11話 ページ11

【学校に来なさい。待ってるわ。 シェリー】



ぴろん、またなった



【あ、今送ったのも一個前のもすぐに消すのよ。明日待ってるから】






待ってる？どういうこと？先生にでもなったの？従業員？生徒な訳ないでしょ、シェリーは大人なんだから。


でも、生きている。



「っ、よかった…！」









久しぶりに部屋を出てみた。


「Aっ！！！」


「ママ、ひさしぶり」


「あぁ、もうこんなに泣いて。目が真っ赤。待ってね、あったかいタオル持ってくるわ。」


「シェリーは探し出す。心配するな」


「ありがとう、パパ。クラスのみんなにもすごい心配かけたから明日からがんばっていってみる」



「偉いな」



パパ、ママ…嘘ついてごめんね。黙っててごめんね


でも、もう失いたくないから、言わないよ。



私はパパ達を見つける白にもパパ達を守る黒にもならない。私は灰色だ。





くるしいなぁ



「Aいるじゃん！！ひさしぶり」


「キャンティひさしぶり。」


「がんばったよ、あんたは。」




キャンティはたまに全てを見透かしたようなことをいう。ママより鋭い時があるんだよ



でもそういうところも好き。



みんな、好きなことには変わらないんだ。


だから守らないし攻撃もしない。








まだ小1ながらに彼女は考える。
全員を、救える道を。



でも、まだまだ敵の味方はたくさんいるのだ。

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