最後の夜 2 ページ15
でも、お互いの心の中にはこの楽しい時間が終わってしまうという事があった
二人とも沈黙が怖くて会話が途切れないようにしていた
哲「ご馳走様 笑」
A「どういたしまして!…」
私の心は寂しさでいっぱいでそれ以上話すと
涙がこぼれそうだった
食べ終わった食器を片づけながら
A「また仕事にもどるね!
消灯したら来るから」
哲也は無言で頷いていた
部屋を出るのと同時に涙がこぼれた
ナースステーションに戻り、泣き顔じゃないか確認して仕事に戻った
明日なんか来なきゃいいのに
この幸せな時間を終わらせたくないのに…
〜間もなく消灯です、電気を消してお休み
ください〜
自動アナウンスが流れる
今日の仕事が終わった
初めて哲也に会った時のように
扉の前でひと呼吸し部屋に入った
窓際で外を眺めていた哲也がカーテンを閉め
ふり向き、ニコッと笑った
哲「お仕事お疲れさま」
A「まだ終わってないの
今日、最後の仕事…」
哲「ん?」
A「…つ …土田さん、調子はどうで
すか?
肩…痛みませんか?」
哲「おかげさまで!
ほら!こんなに動かす事できるように」
哲也が駈けより私を抱きしめた
哲「こんなにしっかりとAの事抱きし
めること出来る」
A「…」
哲「座ろッか?」
私を抱き寄せたままソファに腰掛けた
哲「最後の…夜だね」
聞きたくない言葉だった
101人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:n-s | 作成日時:2017年3月5日 12時