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memory.7 ページ9
カイルside
剣を一振りし、刃に付いた紫の液体を落とした。この血も見慣れてしまった
「カイル!」
振り返ると眉を潜めた姉さんの姿が
「腕は痛まない?あの怪物の力は強そうに見えたから...」
「大丈夫だよ。これくらい出来なきゃ強くなんてなれないさ」
姉さんの過保護さには昔は何度鬱陶しいと思ったことか。でも、今ではそんな事は微塵も感じない
「それなら良かったわ...
最近は物騒になってきたから、何か遭ったら大変よ」
それは今に始まった事じゃない
「前から物騒な世の中だよ。もう何十年も昔から、怪物は生まれ、辺りに彷徨くようになってる」
そう。僕らが生まれる前よりもずっと前から被害は出ている
中には町や村を破壊された所もある。それと比べたら今のなんてまだまだ優しい方だ
「そう、ね。どうしてこうなってしまったのかしら...」
手を顎に添え、俯く姉さん。姉さんは考え事になるとこのような動作をする
どうしてこうなったか...
それは、小さい頃に読んだ物語に心当たりがある......
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