クロ短編集 【黒尾鉄朗】

キューピッドは白衣の天使 part2 ページ25

クロが大人しく？寝ているので、
私は看護師さんと一緒に少し話をするために談話室へと場所を移した。


「すみません、彼が失礼なことを言ってしまって……」

私は看護師さんに頭を下げる。

「いいのよ、黒尾君にはちゃーんと私がおばさんじゃないって言っておいたから」

看護師さんは笑いながら話す。
すると看護師さんがこう言った。

「あなた、もしかしてAさんかしら？」

看護師さんに名前を呼ばれ、私は驚いた。
だって私とこの看護師さんは初対面なのだから。

「はい、そうですけど……。どうして私の名前を？」

「やっぱり！私、黒尾君の担当看護師をしてるんだけど、あの子が入院してきた時は全然話さなくてね。すっごい無愛想だったの。話しかけても、反応はそんなにだし……。あまり笑うこともなかったのよ？」

看護師さんからクロの話を聞く。
私がクロのお見舞いに行くのは学校が終わってからなので、その間の話を聞くのは何か新鮮である。

「…そうだったんですか。普段はそんな感じじゃないんですけど…」

たしかに今まで元気だったのに、
いきなり入院となれば中々受け入れができないだろう。

看護師さんは話を続ける。

「困ったなーって思っていた時に、あなたがお見舞いに来ているのを見て…。ちょっとあなた達を見てたの。その時の黒尾君、とても生き生してたわ。正直言ってこの子は難しい子なのかなって思っていたんだけど、可愛い普通の高校生の男の子だったのね。私、黒尾君に聞いてみたの。お見舞いに来る子は彼女？って」

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