私が思い出すあなたは私を愛しているよ【青】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:633,293 hit

7 ページ7

『なにあいつ。あんな言い方しなくても！！
　確かに私が未熟なのがいけないけど！あんな言い方しなくても～～～～』

こんな私のやけ酒に付き合ってくれるのは、私の同期しおり
大学からの、まさかの就職先も一緒

部署は違うけど、一緒に男女の差と闘いながら営業頑張ってる私の支え
彼女はとっても優秀で、去年一緒にMVPを取って2人で懸賞旅行のハワイにも行った

…なんか自分も優秀みたいな言い方しちゃった
まぁ私もMVP取ったんだから、たまには浸らせて

しおり「そんなひどい商談だったの？」

『私の１週間残業づけで考えた資料と提案を、ばっさり。そして、圧・圧・圧。からの前田先輩と比べるという鬼畜加減』

しおり「前田さん、優秀だからなぁ」

『ほんと。イケメンで優しくて仕事できて。
　……もう私の子供を産んでくれ』

しおり「いや、産むのあんただから。その前に前田さん既婚者なんだからやめなさい」

『冗談だよ、冗談。』

そう言って、持っていたジョッキを傾ける

そしてまた聞こえてくる、翔太のデビュー曲
居酒屋においてあるテレビの中にはキラキラした彼の姿

いったい1日で何度翔太を見ればいいのか
街にはひたすら彼らの顔が溢れている

隣のテーブルからは
“え、スノだよ。やばい、しょっぴーかっこいい。”
なんて女子大学生のきゃぴきゃぴした声

デビューが決まってからの彼らの躍進に驚くとともに、翔太が目指していたデビューはこんなにも大きな事だったのかと改めて思う

しおり「…A大丈夫？」

彼女は私の過去を唯一知っている1人
翔太にも涼太にも紹介して、4人で集まったりすることもあったっけ

『……5年も前だよ。5年もあれば、中１の子が高校受験を迎えるんだよ。オリンピックなんてもう余裕で一周してる』

しおり「そうだね」

『……5年かぁ。私だけまだ止まってる』

しおり「デビューするって聞いて私も驚いた」

『私その日の帰り、電車間違えたもん』

しおり「突っ込みたいけど、まぁ、あんたが動揺しないなら誰がするのって話よね」

その日は、次の日が休みなこともあって
終電過ぎてもしおりは付き合ってくれた