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結局、また終電逃すまで飲んでタクシー帰り
差し込む朝日のまぶしさに目を覚ました
洗面台に行って気付く、乾いた涙の跡
うそ、私いつの間に泣いたんだろう
ここ最近しまい込んでいた思い出が一気に溢れたからなぁ
あのチケットに、翔太の面影に頼ってしまったけど
そのおかげで全てうまくいったのは事実
お守りとしてしばらく飾っておこうかなと思い立ち
お気に入りの手帳をカバンから引っ張り出す
『、ない』
挟んだはずの手帳にはどのページを探しても見当たらなくて
カバンをひっくり返しても
紙切れ一つでてこない
どうしよう
まさかどこかで落とした…？
必死にここ数日の自分の行動を思い返す
身に覚えがあるとしたら
ふっかさんとぶつかった時だ
ふっかさんが拾ってくれてたらな、と思ってはっとした
いやそれは危険すぎる
翔太の手に渡ったとしたら本当に笑えない
私はきっと彼の中ではもう昔の人
昨日は愛されてた、なんて愛しい思い出に1人浸っていたけれど
今の彼の中にはもう私の存在なんてこれっぽっちもないかもしれない
そんな彼にまだ私が5年前を引きずっている事を知られるなんて
振られた私にとってそんな惨めなことはない
だって彼はデビューを掴んで新たな道を歩んでるのだから
もうきっとその道が交わることはないんだ
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作者名：らいな
| 作成日時：2020年4月2日 22時
