私が思い出すあなたは私を愛しているよ【青】 (ページ25)

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『今までずっとしまいこんでたの。
まぁ正直最後は思い出したくもなかったしね』

しおり「うん」

『自然と楽しかった記憶も全部思い出さないようにしてたんだと思う。まぁ最近は、思い出さないようにしても街中にいるから不可抗力なんだけど。』

しおり「まぁ、あれを視界に入れず生活するのは至難の業でしょ」

『結局5年間、完全に消すことはできなかったのは事実だしね』

しおり「だってA、めちゃめちゃ酔うと必ず翔太くんの名前だすじゃん」

『…だから絶対しおりの前でしか大量に飲まないじゃん』

うん確かに、それはえらいってジョッキを追加してくれるしおり
そんなしおりを見て、飲まないというより飲まされてるが正しいかもしれないと今更気付く

『で、まぁ最近よく翔太のことを考えてた中でそれを見つけたから色々なことを思い出しちゃって。でも不思議と昔みたいに苦しくはなかったんだよね』

しおり「全部許したってこと？」

『んー、分かんない。でもちゃんと私は愛されてたんだなぁって。
　不器用な彼の優しさだったんだろうなって、今更だけど気付いた。』

そっか、って笑ってくれるしおりの顔はとっても優しかった