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宮館side
翔太の口から思わずこぼれる彼女の名前
静まり返る楽屋
深「……えっと、いや、え？」
佐「いやまじで今俺ら全員思ってること一緒だと思う」
ともどいながらも
佐久間の言葉に大きくうなずく他のメンバー
岩「つまりこのチケットの持ち主の想い人は“元カレ”が正解ってことでしょ？」
目「で、その“元カレ”っていうのが…」
ラ「しょうた君ってことですよね？」
向「…ん？ほんなら舘様はどういうことなん？」
みんなの視線ががまた俺に集まる
『俺は“A”とは当時何度もあってるからね』
そう、何度も会ってた
多分翔太が知ってる何倍も
当時の翔太はまぁなんていうか、結構荒れてることも多くて
Aから何度も相談受けることもあったから
阿「まぁ、ゆり組だし別に“元カノ”を知っててもおかしくないよね」
目「だとしても、こんな偶然あります？」
向「ロマンチックすぎちゃう？」
佐「青春ですなぁ…」
ラ「でも本人あんな感じだけど…」
まだ楽屋の入口で
俯きながらずっとチケットを握る張本人
翔太は今なにを思ってる？
Aを傷つけたことに
ずっと苦しんでたこと俺は知ってるよ
『翔太、』
はっとなって、ゆっくり顔を上げる翔太
渡「……ちょっと、今、いや、うん。」
無理もないよな、だって5年も前なんだから
でも、5年も前でも
Aがそのチケットをまだ持っていたことが
なによりの答えなんじゃないの？
昔の翔太にはできなかったことが
今の翔太ならできることがあるんじゃないの？
そんな想いをこめて翔太に微笑んだ
『大丈夫だよ、翔太なら。』
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作者名：らいな
| 作成日時：2020年4月2日 22時
