幸せ [JW] [青×黄] (ページ7)

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や、の、に！！

流星はアホやし天然タラシやから、

俺の心をざわつかせることを

全く意識せずに平気でやりよる。

なんなん、口移しって！！？

俺は下心なんて一切なく家飲みに誘ったし、

ある程度飲んで満足したら

家に帰すつもりやった。

そもそも付き合いたいと思ってないから、

単純に友達として喋りたかったってだけで

誘ったんやもん。

…まぁ、多少ドキドキはするんやけど。

やとしてもやん！？

なんなんマジで、おふざけの域超えてるやろ！

あいつほんっ…まに意味わからん！！

こっちがどんな気やったかも知らんとさぁ…

そら知られてたら

それはそれで困んねんけど。

とにかくやらな終わらんなと察して、

でも普通にやるのは癪だったので、

どうにか誤魔化したけれど。

上手く隠せてたんやろうか。

あの時、

意識してしまったのを

必死に隠そうとする俺を見て、

流星は

「照れてる淳太、おもろいから」

と言った。

別に何かを期待してたわけやない。

ていうか、期待したらあかん、

そっちの方に舵を切ってたはずやのに、

あまりにも素直に脈のない反応をされて、

思いのほか傷付いている自分がいた。

勝手やなぁ、俺。

絶対に隠し通すって決めたくせに、

それから何年も頑張ってこれたのに、

これからもずっと続いていくことやのに、

流星の特別になりたい、

そんなふざけた感情を

未だに捨てきれてへんみたいや。

人はいつだってわがままで、

欲望が枯渇することはない。

それを分かった上で抑え込んできたのに、

結局タガはほんの少し外れてしまった。

子供騙しみたいな寝かしつけで

ほんまに寝た時は逆にビビったけど、

でもほんまに助かった。

かなり大胆な行動に

羞恥と不安でいっぱいで

一睡もできんかった俺にとって、

素直に忘れてくれた流星には

感謝している。

あいつがあの夜のことを

本当に忘れているのか、

覚えているけど黙ってくれているのか、

実際の所は分からない。

一瞬だけ関西弁が出てきたのも

若干気にはなってる。

それでも、

あいつの態度は何も変わらなくて。

もし覚えているのだとしたら、

俺が忘れてって言ってたのを守ってくれてる、

そんな彼の優しさ故の行動に

申し訳ないとは思うけれど、

そんな実直な所も愛おしくて、

俺は黙って彼の優しさに甘えることにした。

そして、

自分の感情に、また強く、深く、

蓋をかけた。