ぬいぐるみ ページ2
[青side]
青「…なんやこれ」
仕事終わり、いつものように淳太の家へ行くと、
見覚えのないぬいぐるみがあった。
そいつは手のひらサイズのオオカミ。
犬みたいに姿勢良く座っとって、
くりくりのタレ目に口がぽけーっと開いとる。
女の子が好きそうな可愛いやつや。
何でこんなんがおじさんの家にあるんやろ。
謎のぬいぐるみを突っついていると、
部屋着に着替えた淳太が現れた。
黄「あ、気付いた? 可愛いやろ、そいつ」
そう言ってにこにこ笑うあんたの方が可愛いわ。
青「これ何? 誰かからもろたん?」
黄「いや、自分で買った」
青「え? なんで?」
黄「雑貨屋さんうろうろしとったら、
出会ってもうてん」
淳太はオオカミの頰をぐりぐり撫でる。
青「…運命的なもん感じたん?」
黄「そーゆーことやな」
青「ふはっ、マジで言うてんの?笑」
黄「笑うなや笑」
メルじいやなぁ〜、と俺が笑っていると、
淳太は俺の頭をぺしっと軽くはたいた。
黄「あほ!笑 お前のせいじゃ」
青「へ? 俺?」
何を言ってるんかわからんくて
ぽかんと口を開けていると、
淳太はくふふっと楽しそうに笑った。
黄「だって見てみぃや、こいつ、
オオカミのくせにあほみたいな顔しとるやん?」
淳太はオオカミを自分の口元まで持ち上げて、
そいつの顔を俺の方に向けた。
一緒に俺を見上げる瞳が
いたずらっ子の光を宿している。
黄「どっかの誰かさんに、似てません?」
どっかの調教師さんの歌が頭を流れる。
え、勝ち誇ったような顔しとるけど、
ぬいぐるみに俺を感じて買っちゃうなんて、
めちゃくちゃデレデレなこと言うてない?
黄「んふふ、何照れてんのぉ?」
あまりの可愛さに緩む口元をおさえようと
自分の手で覆っていたら、
照れていると勘違いされたらしい。
淳太は嬉しそうにオオカミを抱きしめている。
…あ、スイッチ入ったわ。
青「…そいつ見て、
俺みたいやなって思って買ったん?」
黄「おん、せやで」
青「…ったく、まだ分かってへんのか…
俺に似てただけでぬいぐるみ買うくらい、
俺のこと大好きなんや?」
わざと耳元で囁いてやると、
淳太は一気に顔を赤く染め上げた。
黄「やっ、ちゃうっ、そうじゃない!///」
青「じゃあなんでなん?笑」
黄「えっ、と… その、
…流星に似てるのを俺が買ったら、
流星は俺に似てるやつ買って
家に置いてくれるかなぁって…」
言いながら淳太の声はどんどん小さくなり、
顔も伏せてぬいぐるみに沈めていった。
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とも(プロフ) - いつも更新を楽しみにしていました。かわいくてもどかしくて少し悲しくてでも愛に満ちていて、読んでいて幸せでした。大好きです!続きがあるとのこと、お待ちしています。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: ecd8d176d9 (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2021年1月10日 2時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
とんとん(プロフ) - あ、 、、ちょっと泣きそうになりました...ほんとに大好きなお話です!これからもずっと読ませてください! (2021年1月9日 7時) (レス) id: 5329dbae7e (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - この後の展開も楽しみです! (2021年1月8日 19時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ が 。(プロフ) - 喧嘩のとこで別れた時は本当に泣きそうになっちゃいました 笑 仲直りして 、 結婚までいけて嬉しすぎます 笑 つい感情移入しちゃうぐらいリアルでとてもきゅんきゅんします 笑 有難う御座いますっ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 2da2fede4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋 | 作成日時:2020年11月6日 22時