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家に着いて鍵を回すと、
何かおかしいことに気がつく。
カシャンという開けた感触がない。
ドアノブにそっと力をかけると、
それはゆっくりと動いた。

青「…え?」

開きかけた扉を元に戻して、一度手を離す。

え、誰か来てんの?
合鍵持ってるのなんか淳太しかおらんで。
でも電気点いてへんし…
もしかして、空き巣?

青「…ふー…」

深呼吸をして、
もう一度ドアノブにぐっと力を込める。
バッと勢いよく開いて部屋に入ると、
真っ暗な玄関に立つ人影が見えた。

青「おい誰や、っ、ぇん!?」

低めの声で脅すように声をかけると、
その人影はいきなり俺に抱きついてきて、
そのままぐっと唇を押し当てられた。

いや何やねんこいつ!?
引き剥がそうと肩を押し返すと、
人影の首元からふわりと甘い匂いが鼻をかすめた。

その匂いは、よく知っているもので。

俺の力が緩んだ瞬間
相手はもう一度俺を強く抱きしめ、
唇を重ねて強引に舌を割り込ませてくる。
俺はそれを逆に絡め取って激しく攻めたてると、
俺の首に回っていた腕は力が抜けていった。

その隙に素早く玄関の電気を点ける。
俺の腕の中で眩しそうに目をつむった
侵入者の正体は、淳太だった。

青「…えー…何から聞いたらええんやろ…」

手を離して頭を掻いていると、
淳太はゆっくり壁に背をもたれさせた。
先程のキスのせいか息は少し色っぽく乱れているが、
腕を組んでこちらを見上げるその瞳は、
不満げな暗い光を宿している。

青「あ、せや、望。なぁ、望が追いかけてきたやろ?
ご飯行ったんちゃうの?」

黄「…きたよ。ほんで、誘われたけど、断った」

青「なんで?」

黄「…俺は流星のもんやから、
他の人と軽々しくメシなんか行かへんもん」

青「、へ?」

黄「でも流星はそうやないもんな」

青「え、え? なに? どうゆうこと?」

俺が戸惑っていると、
淳太は大きくため息をついて、
スタスタとリビングの方へ行ってしまう。
慌てて追いかけると、
淳太はソファにぼすんと腰掛け
キッと鋭い視線で俺を見上げた。

黄「前に流星、言うたよな、俺はお前のもんやって。
ほんならお前はどうなんよ。
俺のもんなんじゃないの?
…流星がイケメンなことなんか俺が1番知っとるし、
誰よりも近くで見てきたし、これからも見るし。
…そりゃ、あの子もめっちゃ可愛いけど、
流星にとって1番可愛いんは…俺やろ…?
…他の奴ばっか…見んといて」

だんだん勢いも声の音量も落としながら、
淳太は小さくうなだれた。

3→←お前も俺のもんやろ?



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とも(プロフ) - いつも更新を楽しみにしていました。かわいくてもどかしくて少し悲しくてでも愛に満ちていて、読んでいて幸せでした。大好きです!続きがあるとのこと、お待ちしています。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: ecd8d176d9 (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2021年1月10日 2時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
とんとん(プロフ) - あ、 、、ちょっと泣きそうになりました...ほんとに大好きなお話です!これからもずっと読ませてください! (2021年1月9日 7時) (レス) id: 5329dbae7e (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - この後の展開も楽しみです! (2021年1月8日 19時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ が 。(プロフ) - 喧嘩のとこで別れた時は本当に泣きそうになっちゃいました 笑 仲直りして 、 結婚までいけて嬉しすぎます 笑 つい感情移入しちゃうぐらいリアルでとてもきゅんきゅんします 笑 有難う御座いますっ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 2da2fede4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年11月6日 22時

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