赤緑の花束_2

❀ ページ39

緑side




小さい頃からみんなに見えてない物が見えてた

でも恐ろしい姿ではなく、普通の人間

今になると分かった、、小さい時見えてたのはいわゆる幽霊と シゾク



小学生に上がった頃、叔母から告げられた話



どうやら、俺は極僅かに生まれてしまう御福というヤツらしい

同じくこの世に生まれ落ちてしまったシゾクを助けることが仕事。



歳を取るにつれ、幽霊とシゾクの違いは大体分かるようにはなった。
それに御福は誰でも助けられる訳では無い。


条件は2つ。


・もう亡くなってるシゾク
・目印は動物


俺が助けることが出来るのは兎と一緒にいる子だけ。







この高校に入った頃 、、

外を見ると、よく誰かが歩いてた

顔はよく見えず、制服も違うもの。


男の子…ていうのだけは本当。



そんなことを考えてたらある昼休み
ベランダからあの人が顔を出した。

顔を見ようとしてハッとする


この人死んでる



目を合わせると俺が見えていることになる。
なにか勘づかれたらまずい
幽霊さんがもう少し前に出てくれたら、顔が見れるのに、、




／｢神山くん｣



呼ばれた気がして振り返るとその人やった、
必死に空を見るふりをして凌ぐ



前を向いたタイミングで顔を見る




緑｢っ……｣


胸がぎゅんって音を立てる


気づいたらその場から逃げていた

それが俺のハツコイ




その日から、何となくその幽霊さんを目で追うようになっていた



／｢神山くん、今日も……ゃ、なんでもない笑｣

／｢君はどこの子？｣

／｢なぁ、今度遊びに行こ？、、なぁーんて……笑｣



いつもひとりでに話してくれる、嬉しいけど、、
答えることは出来ない


まだ、悪霊だってことだって…


でも、俺に懐いてくれてるのはちょっとだけ嬉しい。








／｢俺が死族だって知ったら、神山くんも離れていく？｣



とある日、そんなことを幽霊さんは言った
しかも昼休みに、

前の席に座って、俺の机に肘ついてボソッと

食べづらいも何も、とかって考えてたのに



慌てて箸を落としてしまった



／｢おわ、っ、、大丈夫？｣


拾おうとしてくれた幽霊さんは拾う寸前で止まった


／｢あかんのやった……｣

／｢ちょっと用事思い出したわ、、またな、神山くん｣



それから幽霊さんの言ってた また は来なかった

会えなくなっちゃった




シゾクか、、
あの幽霊さんなら、、俺はずっと一緒にいたい

兎おらんかな、、







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