モノローグ(🦓) ページ5
サヨナラが近い🦓の、ひとりがたり。
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『みんなに嘘はつけない』とすべてを打ち明けたあの日が、もうずっと遠い昔のように感じる。四方八方いろいろなものに繋がれて、壁を一日じゅう見つめるだけの生活は時間感覚すらあやふやにしてしまう。
体調ヘンかも？ って違和感を覚え始めたのは、一年と半年くらい前。それが仕事にも支障をきたすほどの“ 自覚症状”に変わった頃に、俺は初めて病院にかかった。二週分の薬をもらって、出された分を飲みきっても全然良くならなくて、思い切って少し大きな病院に行ったら、俺はいきなりヨメイセンコクを受けた。一年もつかどうかだって、全然笑えない。それでも、『過労かな？』って笑った最初のお医者さんを責める気にはちっともなれなかった。初めに思い浮かんだのは、自分が死ぬことに対する恐怖とか、そういった感情ではなかったように思う。たぶん、仕事のこと。俺の一番大切な、SixTONESのこと。メンバーひとりひとりの顔が頭に浮かんで、ごめんなさいって何度も心の中で謝った。だって近い将来、俺はみんなの未来にどうしたって大きな傷を残してしまう。
険しい顔のお医者さんは、すぐに入院して治療をするように言った。俺は、『少しだけ時間をください』とお願いして、全員でのレギュラー収録を終えた楽屋で全て、包み隠さずに話した。みんなは揃って目を見開き黙り込んで、呆然として、『治らないの、』と誰かが言って。告げられた病名と進行状況をそのまんま説明したら、大きな目をもっと大きくした大我と奥でちいさくなっていた慎太郎が顔をゆがめて泣きはじめた。樹は怒ったように、なんで、なんで、って何度も何度も濡れた声で叫んでいた。ぐしゃぐしゃの顔をした北斗が真っ赤な目元で俺を見上げていた。ふらり、と歩み寄ってきたこーちに『ヘーキなフリすんな』って震える手で頭を撫でられて、その時はじめて俺は泣いた。
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作者名：灰 | 作成日時：2023年12月11日 23時
