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−Aside−
今日1番目の患者さんは、歯科に来た
中高生くらいだろうか
学校に行く前に立ち寄った雰囲気だった
私は指示されたものを促されるまま
村上さんの後ろに待機していた
村「今日は定期健診ですね
ではまず掃除をしてから...」
患者「ほんっとイケメンですね！
今日この日取るのにすっごい時間かかって
大変だったんですけど...会えて良かった！」
...なに、この無礼な人
村「はは、ありがとうございます
なるべくお時間が早く済むようにしたいので
少し待っていてくださ...」
患者「いつもお仕事大変なんですね！
でもそれもそうですよね
こんなイケメンで若い医師に
見てもらえるなんて
皆会いたいに決まってます」
この人イライラする...
村上さんが困ってるって分かんないのこの人
村上さんだってまだまだ先約あるし
時間だってとりたくないのに...
村「すみません、大事な歯に傷をつけないよう
集中したいので少し口を開けてくれますか？」
なんであんなに冷静でいられるの？
村「八代さん...今日の診療見て
何を、どう思った？」
夕方の診療は落ち着いていて、
あまり歯科の患者さんも
足を運ばなくなってきた頃
村上さんはふいに呟いた
A「私...何年前かに何度か
ここの病院に行かせて頂きました、けど
あんなにも無神経な患者さんがいただなんて
正直驚きを隠せません」
村「......」
この無言は、どういう無言なのだろうか
どう感じたのだろうか
私の想いを 馬鹿にした？
嘲笑った？
嘘だ、と誤魔化した？
けど、どれも違かった
村「八代さんは...何で看護師になったんや？」
A「......医師の方をサポートしたい、と
思ったからです。
医師を必要としてる患者さんの
手助けになれるような存在になりたい。
それが私の目標です」
このとき、私はとある記憶が脳裏に浮かんだ
小さい私の前でにこやかに対応する男の医師と
その医師に寄り添うように微笑む看護師
私はその姿に目を輝かせながら
見つめていた
そんな記憶
村「フッ...」
A「...ッ！！」
村上さんが...笑った？
村「俺かて人間や、戸惑うことも
あると思うけど...
そんときはサポートしてくれるんやろ？」
A「ッ、もちろんです！」
私はこの時思った
ああ、この人は私のこと
認めてくれたんだ
そんな嬉しいような歯痒い想いに
胸を馳せていた
A「これからよろしくお願いします！」
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作者名：トン助。 | 作成日時：2015年4月17日 22時
