決意 ページ23
今日はよく晴れた日。赤井さんの(工藤家)に来てから(連れ去られてから)１週間が経った。
「赤井さーん。囲碁打とうよ。」
こんな事言っちゃっていいのかと思うが、意外に居心地がいい。
いやぁ、だってさ。楽しいんだもん。
チェスもできるし、囲碁もできるしなんたって小説が売るほどあるんだもん！！
「仕事が終わったらな。」
この通り赤井さんも優しいしね。
「じゃあ先にお風呂に入る。」
しかもある程度の自由がある。
しかし隙はない。
赤井さんはいつも５秒以内で私の所につけるような位置にいるし、
窓には薄い針金が通してあって５秒以内では壊せない。
「赤井さん出たよ。」
ササッと洗って外に出る。
３０分以内に出ないと問答無用で見に行くと脅されたからだ。
全く、揃いも揃ってこの手の脅しを使う。
ちょっと顔がいいと思って！！・・・・・・・・いや、かなりいいな。
「ああ、俺もちょうど終わったところだ。打とう。」
なんで工藤家に碁盤があるのかは聞かないでほしい。小説の力である。
私が白を持つ。赤井さんは囲碁が弱い。その代わりチェスは引く程強いけど。
「ねえ、赤井さん。」
「なんだ。」
碁盤を見ながら話しかける。こういうことはめったにない。
「私を、安室さんのもとへ返して。」
ちら、と赤井さんが私を見た。その目には驚きも肯定も否定もない。
「組織の情報が欲しいのか。」
「そう。」
沈黙が二人を包む。
それが嘘か本当か。答えを赤井は知っていた。
「分かった。お前は囲碁を打っている時嘘はつかないからな。」
「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう。もう眠いから寝るね。ごめん自分勝手で。」
ここからが本番だ。
「昔々あるところに、一人の少年がいました。」
碁笥を碁盤に置いた瞬間。私は口を開いた。
「何を急に・・・！」
「その少年は、自分の世界から抜け出したことはありませんでした。何の事件も起こることなく。何の組織にも狙われることなく暮らしていました。だから、自分が世界から抜け出したことがないのは組織が図ったことだとは考えもしませんでした。おしまい。」
伝われ。どうか、伝わって。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おやすみ。」
「・・・おやすみなさい。」
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作「みんなは分かるかな？ヒントは二人の会話だよ」
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nao0824hito(プロフ) - 解決いたしました。お騒がせしました (2021年5月15日 16時) (
レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
狼 - ごめんさない。作者です。自分のマイページが消えているのですが、どうすればいいか知っている人は教えてください。 (2021年5月15日 16時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狼（ろう） | 作成日時：2021年3月28日 18時
