六 ページ8
それからの私は毎日囲碁部(本当は将棋部)に行くようになって、どんどん腕が上達・・・・・・・しなかった。
「ねぇ、どうして私は上達しないの?」
無一郎に聞いてみる。
「無一郎に聞け。」
「おっとと、失礼しました。」
まだどっちがどっちか分からない。
「無一ー郎!どうして私は囲碁が上達しないのー?」
「個人差があるし。Aは上達していると思うって兄さんも言ってたよ。」
「えっ!侑一郎さんが?!」
くるり、と侑一郎さんの方を向くと、すごい勢いで顔をそらされた。
ツンデレだな。
キーンコーンカーンコーン
「あ」
チャイムなっちゃった。まだ検討終わってないのに・・・
「・・・・・・・・・僕の家来る?」
え
「・・・」
くるっと侑一郎さんのことを見るが嫌がっているそぶりもない。
「いいの?」
「うん。兄さんもやがってないし。」
「ほんと!?やった!あ、でも教室に数学の宿題忘れちゃったから先に昇降口まで行ってて!」
無一郎が頷くのを確認すると、私はあわてて駆け出した。楽しみでしょうがない。絶対に楽しい!
「あった!」
机の引き出しから数学のプリントを出す。
あまりの多さにげっそりする。
急にテンションが下がってもと来た道をゆっくり戻る。
「もう、数学ほんと嫌い。いや、嫌いってわけじゃないんだけどさ。公式記憶してもなんか応用とかで使い物になんないし。苦手だな。「面白れぇこと言うじゃねぇか。」ん?」
んん?なんか聞こえた気がするぞ。
「気のせいか・・・・」
再び歩き出そうとすると
ガシッと効果音が付くくらいの力で頭を鷲頭紙にされた。
「無視するとはいい度胸だなぁ?深川Aさんよぉ。」
深川A終了のお知らせ〜。
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作者名:狼(ろう) | 作成日時:2020年6月3日 9時