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うるさいな、心臓。

あーあ、嫌な冷や汗が。

なにこれ、なんていえばいいのかわかんなくなっちゃったよ。

「おーい?大丈夫か?顔色悪いけど。」

ねえ待って、あなた侑一郎?無一郎?

「あ、大丈夫だけど。」

「そう。」

しばらくの沈黙。

「そこどいてくれない?邪魔なんだけど。」

不機嫌そうに言うドッペルゲンガー。

「ああ、ごめん。」

すっとわきによける。

通り過ぎていく背中を見送る。

「?こないの?」

「え?行く。」

流れでいってしまったぁ!

帰ろうか悩んでたのに。

「棋譜、覚えてきた?」

「え?あ、うん。」

「そう。」

ガチャガチャカギを開けながら言う侑無一郎。

まじでどっちか分からない。

おでこに名前書いてほしいんだけど。



なんだかんだでテスト中。

「269」

打ち切ったあ!

「うん。あってる。」

「よし、じゃあ研究するか。」作1「研究というのは、棋譜などを研究することです。」

「え・・・・はい。」

じゃらじゃらと石を片づける侑無一郎。

パチ

パチ

パチ

パチ

パチ

「ここさ」

え?五手目でもう研究するところが?

「こうやって白が割り込んできても、こうやって付けて伸びて・・・・白が一人になるよな。」

「ああ、確かに。ここ、とびすぎじゃないかって思ったんだけど。確かに白は入りにくいかも。」

納得。

侑一郎?と棋譜を研究している時に無一郎?は後ろで将棋やってる。

「で、ここの35,36、37,のところ。」

「え、ああうん。」

不思議な形なんだよね。

「ここは・・・・。こうすると白が逃げ切れない、ここにきてもキられて終わり。だからこうするしかなかった。」

「ああ!確かに!」

「うん。一見黒が損しているように見えるけど、白もぎりぎりかわしたって感じだから勝負は五分なんだ。」


「へー」

薄暗い部屋の中で、碁石を並べる音と、将棋を指す音が和室に響いていた。

「じゃあこれで。ありがとうございました。」

「さよなら」

部活が終わった帰り道。

夕暮れが空をグラデーションする。

「今日一日で、私強くなった。」

手に持っているのは新しい棋譜。さっき無一郎さんにもらったんだ。

新しい宿題。

なんか、なんか嬉しくなって。私は笑顔が止まらなかった。



「めずらしいな。無一郎がほかの人のこと構うなんて。」

「え?ああうん。」

「ふーん。」

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作者名:狼(ろう) | 作成日時:2020年6月3日 9時

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