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ep33. ページ33








背中に感じる温もりは
確かにユノさんのもので


逞しい腕にホールドされたまま動けない


ユノさんの息が耳に掛かる


飛び跳ねた心臓は行き場を無くしたまま
煩くリズムを刻む


一気に顔まで血が巡って熱い





「離してください」




キスが一線じゃないのなら

こうして女性を抱き締める事も

ユノさんにとってみたら

なんでもないことなのかも知れない



ユノさんの一挙一動に

いちいち浮いたり沈んだりする自分に呆れる




「嫌だ」




きゅんっ



ほらまた心臓が音を立てた





「迷惑か?」


「これは…
上司としての一線を越えてると思います」


「それなら上司としてではなく、
一人の男としてこうするのは良いのか?」




どうしてこうも


意味の解らない事ばかり続くの?




「Aさん、こっち向いて」


「嫌です…
ユノさんの言ってる事が理解出来ません。
からかわないで下さい」


「からかってなんかっ」




ブーブーブー…



ポケットに忍ばせていたiPhoneが震える

ユノさんの腕が緩んだ隙に階段を一段登り

iPhoneのディスプレイを確認すると



"チャンミン"



の文字






「は、はい!」


「なんだよ(笑)
声上ずってんぞ?」



慌てて出たから




「無事に帰れたか?
家着いたら連絡しろって…」



チャンミンの声を聞いたら

枯れたはずの涙がまた湧いて来た



「なに、また泣いてんの?
って言うかいまどこ?家じゃないのか?」



早口になってる

また心配を掛けてしまってる



「チャンミン」



そう言うのが精一杯だった



後ろに感じてた気配が遠ざかって行く
車のドアを閉める音がして


振り返れば


もうそこに車は無かった




「A?もしもし?」


「私…」


「なに?」


「これで本当に失恋だよ…!」




階段に蹲り

わんわん泣いた

その間ずっと


チャンミンは電話を切らないでくれて居た








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設定タグ:ユノ , チャンミン , ノンリアル   
作品ジャンル:恋愛
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かえる(プロフ) - キャー( 〃▽〃)ユノさん素敵です♪読んでてニヤニヤが止まらなくて(*≧∀≦*)私もユノさんの唇上のホクロに触れてみたいです(* ̄∇ ̄*)朝から笑み、最高です! (2015年3月5日 6時) (レス) id: 27264d4f57 (このIDを非表示/違反報告)
Nao:)(プロフ) - かえるさん» 事故キスにするか本気キスにするか悩んだのですが、レイナさんにはいつまでも良き先輩上司で居てもらいたかったので… 笑って頂けたのなら良かったです( ^o^ ) 次章もよろしくお願いします! (2015年3月4日 15時) (レス) id: 2eff9f75c5 (このIDを非表示/違反報告)
Nao:)(プロフ) - さくらわんさん» やっとユノさんとあまーい関係になりました!次章ではユノさんと甘くも切ないお話しが待ってるので、これからもよろしくお願いします! (2015年3月4日 15時) (レス) id: 2eff9f75c5 (このIDを非表示/違反報告)
Nao:)(プロフ) - カナさん» チャンミンには別のお話しで幸せになってもらう、予定です(* `ω´ )笑 次章もよろしくお願いします! (2015年3月4日 15時) (レス) id: 2eff9f75c5 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 事故キスだったんですね♪読んでて「なぁ~んだ♪」って笑ってしまいました。 (2015年3月1日 6時) (レス) id: 27264d4f57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nao:) | 作成日時:2014年11月15日 0時

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