片想いロジックーU-know?ー

ep13． ページ13

「ちょっ！待て待て、待て！」


「ん？」


「ん？じゃねーよ！
その顔、可愛くないからな？！」




お昼時、混雑した牛丼屋さん

カウンター席に並んで座るチャンミンが
何故か目くじら立ててご立腹



「玉ねぎ、苦手なの…」


「はあ？！じゃあどうして、
牛丼ランチするなんて言ったんだよ！」


「牛肉は好きよ？汁だくのご飯も好き！
だけど玉ねぎはダメなの」



私の牛丼から、

チャンミンの牛丼へ

せっせと玉ねぎ移動中



「この茶色く、溶けかけた玉ねぎが
牛丼の醍醐味だろうが！
この玉ねぎさんがいらっしゃるからこそ！
牛肉様が真の力を発揮してだな！」


「分かった分かった！
もう良いから、早く食べないと時間なくなっちゃうよ？」




チャンミンのボキャブラリーに勝てる気はしない


それにしても、
店内はスーツを着たおじさまが大半を占めて居る


なんか私浮いてない？


違和感を覚えつつも食べた
玉ねぎ抜きの牛丼は
いつもお弁当で冷や飯の私にとって

凄く美味しく感じられた




「ありがとっございやしたー！」



体育会系の少々暑苦しいお兄さんに見送られ

むさ苦しい店内から外に出れば

秋の風が心地よく私とチャンミンの髪を揺らす




「今日はお弁当作らなくてよかったから、
まったりな朝だったの。」


「昨日帰り遅かったし、
ちょうど良かったじゃん」



ごちそうさまでした、って
チャンミンの腕に絡まりながら言うと


「くっつくな！」


と押し返される


「チャンミンって意外と逞しいよね」


「なんだよ急に」



いやいや本当

今度腕にぶら下がってみたい

お願いしてみようかしら？



「なんか寒気する」


「冬ももう少しだねー」


「いや、これは悪寒だ」




牛丼屋さんから会社までの道


最後の角を曲がると


サンテラスがあるおしゃれなカフェ


会社の近くにこんなところあったんだ



何気無しにガラス張りのお店を覗けば


窓際のテーブル

絵になる2人が座ってた


ユノさんとレイナさんだ



「どうした？」


思わず立ち止まってしまった私


前を歩くチャンミンが振り返る



レイナさんが私に気付いてヒラヒラと手を振る


ユノさんも気付いたようで


一瞬驚いた様な顔をしていた



「…なんでもない」



そんな2人にぺこりとお辞儀して

チャンミンまで小走り

ぴとっと横についた私を変に思ったのか


チャンミンがお店の方を見た

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