片想いロジックーU-know?ー

ep12． ページ12

「何かあった？」



チャンミンっていつもそう


落ち込んで居る時や、

いつもと違う私の様子に

誰よりも早く気付いて声を掛けてくれる。



「なんでもないの…
ただ少し仕事が遅れてしまっただけ」



入社したての頃は

こう言うチャンミンの優しさに

心が痛くなってしまう時があった

自分の駄目さ加減が露呈してしまってる様で


だけどここ最近気付いた事がある




「もう終わったんだろ？
家まで送る」


「え、いいよ！
まだ電車あるし！」


「こう言う時は甘えろよ。
本当にかわいくねーな。」


「どうせ私は可愛くないですよ。
チビだし寸胴だし？
レイナさんみたいには…」



皮肉になってる心


嫌な女になってる



言葉に詰まった私の頭にチャンミンの手が
ふわっと降りてきた。



「誰もそこまで言ってない。
素直になれって言ったんだよ」



くしゃくしゃにされた髪



暖かく大きなチャンミンの手


いつもよりマイルドな口調…



そうなんだよ


チャンミンの優しさが心を痛くするんじゃない
心が痛いとき優しくしてくれるのがチャンミンなんだ




「ありがとう…」


「よく出来ました」



すっかり冷めてしまった缶コーヒー

おしゃれなカフェのものじゃない

誰でも買える社内の自販機のもの

ワンコインで買える温もり


今の私にはこっちの方が合ってる。




「ねえ？」


「なんだよ」


「もしかして心配して来てくれたの？」



エレベーターを待つ間


下からチャンミンの顔をのぞき込む

相変わらずの彫刻顏

むすっとしているから尚更



「…そうだって言ったらどうする？」



思わぬ答えが返って来た


ここは、


んなわけねーだろ？


って言うんだよチャンミンは



「ばーか。
何本気にしてんだよ。
ついでだよ、ついで」


「だ、だよね！もうっ
いつもと違うこと言うから！」



やっと来たエレベーター

乗り込もうとしたら


私達以外、
誰も居ないはずのオフィスから物音が聞こえた気がした




「なにしてんだ、早く乗れ」

「う、うん！」


警備員さんかな？



「明日の事、
忘れてねーだろうな？」


「牛丼ランチ！」


元気よく答えて見せると

片目を細め肩を揺らしたチャンミン


「明日は俺の奢りだ！」


「やったー！
チャンミン様、優しい！」


「苦しゅうない、苦しゅうない」

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