何曜日なら・・いい？(arxym)曜日シリーズ(３)

＝好きだ。・２５＝ ページ25

「誕生日、ちょっと前だけどぉ〜
　おめでとぉ〜〜〜〜っ！！」

って、山田が言いながら

ソファの前のテーブルに

イチゴのデコレーションケーキを置いた。



俺は、嬉しくて、驚いて・・

「うっわっ。うっまそ〜〜〜っ。
　山田、用意してくれてたのかよぉ〜〜。
　まさかー、おどれーたっ。
　山田、ありがと―――っっ。」


「んふふ。おめでとー大ちゃんっ。」


「ありがとー山田っ。
　山田も、おめでと〜〜。」


「ん。ありがとっ。」


「いや〜〜、スッゲェ〜〜驚いたっ。
　ケーキ、用意してくれてたなんて・・
　ホント、ビックリだっ。超サプライズだ。
　・・しっかし、キレーなケーキだね。
　・・有名なお店の？？」



山田は、ホッペを赤くして

照れた様に笑って

「んふふふ・・。
　このケーキ・・作ったの、オレ。」



「へ？？・・つ、作った・・？？」


「うんっ。」


「ええっっ？！や、山田が作ったの？？
　この、立派なケーキを？？」


「うん、そう。
　ただね、好みが分かんなかったから・・
　オレの好きなイチゴが乗った生クリーム
　のに、しちゃったんだけど・・・。」


「いや〜〜。すごいなぁ〜〜。
　俺、ショートケーキ好きなんだよ〜。
　マジ、嬉しいよ。山田っ。」


「ほんと？」


「ああ。１７年間の中で
　いっちばん嬉しい誕生日ケーキだっっ。
　１７回あった誕生日の１７個のケーキの
　中で・・第一位だよ。ありがとう、山田っ。」



山田は、俯いたかと思うと

パッと顔をあげて

涙ぐんだ瞳を俺に向け

「も〜〜〜。
　大ちゃん、嬉しい事言ってくれるなぁ〜。」



「ふふふ。山田、
　本当は・・泣き虫なんだな・・。」


「・・ち、違うよ。もぉ――。
　なんか、大ちゃんの前だと・・
　素直に感情表現が出来るってゆーか。
　・・んふふふ。」


「ふふ。ありがとな、山田っ。
　実は、俺もさ―――。」

と言って、持って来たリュックから

ガサッと袋を取り出して

「はい、コレ。
　ハッピーバースデー、山田。」



「えっ・・プ、プレゼント？！
　え、大ちゃん・・用意してくれてたの・・？」


「ああ。だって誕生日と言えば
　プレゼントでしょっ。」


「わぁ〜〜〜。
　・・開けていい？」


「おぅ。どーぞっ。」



山田は受け取った袋を

カサリっと開けて

「あ・・。
　ブックカバーと、しおりだ・・。」


「・・大した物じゃなくて、
　ごめんな＿＿＿＿＿＿。」


「そ、そんな事っっ。」

＝好きだ。・２６＝→←＝好きだ。・２４＝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す