36話 ページ38
━ミロカロスsaid━
ついに負けてしまった。あれだけの力を出したのに。そうか、美しさが足りていないからだ。そう思ったのに………。
イーブイが来た時は苛立ちを覚えた。私が負けたことで罵りに来たのだと。そう思ったが、イーブイが言った言葉に私は驚いた。
━━━あの時、強さについて教えてくれてありがとう
そう言ったのだ。私は、イーブイを小馬鹿にしていた。今まで、ずっと。私より弱いから。それなのに、その言葉を言ったイーブイが強く感じた。
そうか。私が足りていないのは美しさではない。美しさではなかった。気づいた時には、遅かった。もう、彼女に会う機会なんて許されない。負けたのだから。彼女を止めなかったからだ。
そう思った私は、イーブイに問いかけた。
「もう一度、彼女に会いに行けるの？」
その言葉は、私自身の問いかけでもあった。イーブイは、少しも迷いもなく小さく頷いた。
━━絶対、彼女に会いに行くの。私は彼女が好きだから
そう言い、イーブイはヘアバンドの男と一緒に次のフロアへ行った。いつの間に、強くなったのだろうか。それとも、私が弱くなってしまったのだろうか。こんなにも、彼女といた時間が長かったのに、彼女への想いはイーブイの方が強かった。
これが、あの子なりの強さだったのね
そう思った私は、静かに目を閉じた。フロアに降り注いだ雨はいつの間にか晴れていた。
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ナノセンチメンタル(プロフ) - ついに続編が出ました。ここまで続いたのは皆様のおかげです。続編のタイトル名が変わってますのでお気をつけください。なお、続きは来週の水曜日あたりに更新します。 (2020年2月23日 20時) (
レス) id: 0e87ed2dba (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - ナノセンチメンタルさん» 続編ですか…良いですね(^_^;)是非とも読ませていただきます。 (2020年2月10日 19時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
ナノセンチメンタル(プロフ) - コメントありがとうございます！読んでくれた方が楽しんでもらえるような小説をこれからも書いていきたいと思います。この作品の続編も検討しているので、興味があったらぜひ読んでください。続編の報告は、コメント内で報告します。 (2020年2月7日 21時) (レス) id: 0e87ed2dba (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 面白い作品です。更新頑張って下さい。 (2020年2月6日 21時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノセンチメンタル | 作成日時：2019年12月20日 21時
