102話 ページ10
トラ男の真剣な表情からホントのホントに私に恋をしているのだと悟った。別に疑っていた訳では無いが…
「返事を聞きてェ…」
トラ男はまるで逃がさないと言うかのように私の肩を強く掴む。グレーの瞳が突き刺さり、目を逸らせなかった。
返事…つまりは告白に対する答え…
私がトラ男のことが好きかどうかということ…
まず、好きとは何だろうか？
それすらも…
「…わ、分からない」
「ちゃんと考えたのか？」
私が首を縦に振ると、トラ男は少し顔を歪めた。
「恋したことないから分からない。
私はトラ男が悪い人じゃないって…むしろ良い人だって思ってる。だからトラ男のことは好きか、嫌いかと言えば好きだ」
あんなに助けて貰って嫌いになる筈がない。人としてはトラ男は好ましい人だと言える。
「！…なら」
「でも恋愛感情ってやつじゃない」
恋愛とか分からないけど…私がトラ男に対して持つ感情は何となく違う気がした。というか、違うと思いたい。
「それでもいいじゃねぇか」
「よくないよ…私はこれでも誠実に生きてるつもり。それは勿論、トラ男に対しても」
海賊が誠実だなんておかしいことは分かってるけど…これが私の生き方だから…
トラ男には悪いけれど、断るのが正しいと思った。
俯きかけた頭がグッと持ち上げられ、再び目を合わせられる。
「…保留にしろ」
「保留？」
「どうせ、まだ確信を持ってないんだろ？そして…お前の感情も追いついていない。なら、急いで答えを出すのは時期尚早だ。
だから…俺のことが好きになるまで保留だ」
「…」
トラ男は優しく諌めるように語りかけた。まるでワガママを言っているのが私であるかのように…お互い様なのに。私だけが悪いみたいだ。
ってちょっと待て…好きになるまで保留って言わなかったか？
「それだといつまで保留になるんだ？」
「さあ？いつまでだろうな…」
私の呟きを拾ったトラ男はニヤリと笑った。
〜〜
急展開…ですね
でもお互い思い違いがあったり…？
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
