111話（ローside） ページ19
「カッコいいなぁ…」
Aはあいも変わらず、うっとりとした表情でステルスブラックを見る。
「Aちゅあんが…俺を応援している！？」
ステルスブラックもとい黒足屋はAの言葉に喜び、やる気をメラメラと燃え上がらせていた。
面白くない…舌打ちをしたい気分だ。
「A、お前…ステルスブラックなんかにカッコいいとか言うな」
「？」
Aは頭にクエスチョンマークを浮かべた。
「あぁ…私が言ってるのは、スピノサウルスがカッコいいなってことだぞ？」
「…」
「恐竜好きには堪らないね！スピノサウルスに出会えるなんて！私、ハニハニの実じゃなくて古代種の悪魔の実を食べたかったなぁ」
なんだよ…それ。俺は大きくため息をついた。ステルスブラックのファンではなかったことに安堵するが、いくら爬虫類とはいえ…敵方にカッコいいと言っているというのは複雑だ。
「いやいや、おそばマスクもなかなかカッコいいじゃねえか！ネーミング以外は…」
「ヒーローだぞ？ロマンじゃねぇか！ネーミング以外は」
「ヒーローより恐竜の方がカッコいい」
鼻屋とロボ屋のフォローも虚しく、Aの素直な感想が黒足屋に突き刺さる。
「でも、トラ男はなんでそんなこと聞くんだ？」
Aが此方に顔を向けた。そんなこととはステルスブラックにカッコいいと言うなと言ったことだろう。俺は少ししゃがみ、Aの耳元に顔を近づけた。
「？」
「俺がお前のことをどう思ってるかなんて、もう知ってるだろ？なのにお前は俺の前で別の男を褒めるのか？」
Aは固まり、その場から動かなくなったかと思えば、ほんのりと頰を赤らめて恥ずかしそうに俯いた。告白した時ですら、動じなかった彼女が恥じらいを見せた。今の今まで、全くそんな素振りを見せなかったにも関わらずにだ。
これは…脈アリって言えるんじゃねぇか？
「あ…えと、トラ男…ごめん。トラ男に言われたことは忘れてないし、今もちゃんと考えてるから…な」
律儀にも保留という約束を守っているようだ。俺はさっきの複雑な感情の一切を忘れ、にやけそうになるのを必死に抑えていた。
…
no side
「フランキー、あいつらってそういうことか？」
「まぁ…そうなんだろうな」
「サンジには黙っとくか…面倒くさいことになりそうだしな」
「そうだな。静かに見守るのが一番だ」
〜〜
恐竜好き設定はこのシーンを描きたいが為に作りました。
続く (更新停止中)
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
