109話 ページ17
オレンジ色の空が絵の具で描いたような紫色へと変わっていく。それと共に人々は都から消えていく。都は不自然なほどに静かになった。これは何か悪い予兆だ。夜が闇を引き連れてやってくる…今の状況はまさにその言葉がぴったりだと思った。
…
丁度店を畳み終えた頃のことだ。突然人々が逃げろと声を上げていたのだ。偵察に向かわせた一体の埴輪によると、その原因はサンジが狂四郎一家に手を出したことにより、飛び六胞のドレークとページワン、そして真打ちのホーキンスが都に現れたことらしい。その内のページワンが暴れているようで店を心配する声も聞こえて来る。
スタスタ…
「！？」
嫌な気配がし、咄嗟に物陰に隠れる。そして相手を探るべく、立てかけてある古い傘に話しかける。
…今そこにいる人間について教えて…
…長い髪の男だよ！カイドウのとこの真打ちさ…
…情報をありがとう！…
やっぱり、ホーキンスか…
どうにか見つからないように、ここを離れないと…
周りの状況を確認していると、ある方向に薄らと砂塵が巻き上がっていた。サンジがいるとしたら…あそこか。
私は小さな土人形を作り出し、それを囮にして私と磨弓はその場を離れた。勿論土人形はホーキンスにバレる前に能力を解除して土に返しているので、私だとは気づかれていないはず…そもそも奴は私の能力も知らないだろうし、心配する必要はないだろうけど…
…
「ウソップ！フランキー！それにトラ男！」
「皆さんご一緒だったんですね！」
「お前らも無事だったか！」
ウソップとフランキーとは久しぶりに会うので再会を互いに喜ぶ。だが、それもトラ男の厳しい言葉によって中断された。
「わざわざ何故こっちに来たんだ？」
トラ男の言っていることは確かなものだが…此方にも事情がある。
「向こうにはホーキンスがいたからこっちに逃げる他なかったんだ」
「えぇ。逃げた都の人々のところに紛れ込んでいないかをチェックしたいのだと思います」
「じゃあ、向こうには逃げられないのか！？」
「それなら仕方ねぇ…えびす町の方に逃げるぞ」
ドカーン！！
建物が破壊される音とけたたましい獣の声に驚き、その声の方に顔を向けた。
「し…しまった！A、そっちを見るな！」
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
