104話 ページ12
「女神だから…どうこうとは言いません。
女神としてではなく…ただ人としての誠実さを持ち、礼儀を重んじる…それが私の主、河内Aです！
どうか…私達埴輪が胸を張り、誇れるような主であって下さい」
「磨弓…」
あの時の私は私らしくなかった。磨弓は私が作った埴輪であり、私の記憶を持つ埴輪だ。つまりこの子は私であり、私はこの子なのだ。いくら自らを偽っても自分には嘘はつけない。だからこそ私の間違いに磨弓は気づいてくれた。
「ごめんね、磨弓。そしてありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでです！」
磨弓はニコっと眩しいくらいの笑顔を向けた。
「だからと言って告白に対していい返事はしないけれど…｣
私の呟きを聞いて磨弓はクスクスと笑った。
「A様にはトラ男殿がピッタリだと思いますよ？」
「磨弓はやけにトラ男の肩を持つね」
「えぇ。トラ男殿の恋を私は応援していますから！」
初耳だ。というか、主を差し置いてトラ男を応援するなんて…なんか悲しい。
「ちなみに、A様とトラ男殿がお付き合いしているとの噂を流したのは私です！」
「え…本当に！？」
私、出し抜かれてる？？元々有能だったのが更に有能になってきてない？成長速度が恐ろしい。
「私…A様に幸せになってほしいんです」
突然磨弓は神妙な面持ちで話し始めた。
｢世間一般的な結婚して…という幸せを掴んで欲しい訳では無いですよ？ただA様が女神ではなく人であれる居場所というか…弱さを全てさらけ出せる方がいらしたらなと思っているんです」
「磨弓が私の保護者みたい…」
「仕方ありませんよ。A様ったら、溜め込み癖がありますし、なまじ頭がいい分だいたい1人で片付けられますから…人を頼りませんもの。それがどれ程心配なことか」
ゔ…褒められるべきところが全部裏目に出てる。
生き抜く為に必要だったことが仲間が出来て必要でなくなった…そのお陰で負担は減ったし、私にしか出来ないことを伸ばすことができたし、何より支えられているという安心感を得られた。
…でも、今まで根付いたものはそう簡単に消えない。人を頼ることに慣れてしまえば、この先何らかの事情で独りになったとき、私は自分の力でどうにかできるのだろうか？
〜
夢主ちゃんの思考
･人と支え合うことは良いことだが…1人でできることが多ければよりいい
･頼ること=全てを委ねること→この世界で生きていけない
夢主の苗字 河内
気にしないでいいです
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ゆう(プロフ) - とても、楽しく読ませていただいてます。また、続き読みたいです。 (2022年1月31日 15時) (
レス) @page19 id: fe95cae7da (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月11日 19時) (レス) id: 8a86a2abc8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃを操作してます。続編おめでとうございます。 (2021年9月11日 14時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年9月11日 14時
