誂えられた異世界人 (ページ13)

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11話ページ13

「…っふふ」

フランキー(ナミ)が私の方を睨みつける。だが、いつもと異なりフランキーの目は少し大きく、ハイライトが多く、声は高い。私は口を手で押さえながら、必死で笑い声を隠す。

何やらトラファルガーのお陰で皆んなが入れ替わってしまったらしい。余りにも顔と声が一致していなくて、ルフィと散々笑うと、「他人事のように笑いやがって！」と怒られてしまった。

…

「…つまり、初めから解明していくと…こいつがワノ国の侍なんだ」

ウソップは白い大きな紙にこれまでで分かったことをイラストにしてまとめ上げ、整理していく。そして、侍を指した。何というか、教科書に載っている版画の絵の人だ。ちょっと私の知る侍とは違う。

「俺達が拾った救難信号はボスと呼ばれるあのワニタウロスへ部下から送られた信号だった。この侍がケンタウロス達を斬りまくったことが全ての元凶だったんだ」

「しかし、拙者は行方知れずの息子、モモの助を救うべく邪魔する者をきったまで！現に…見ろ、これだけの子供らがあの施設に閉じ込められていた。きっとモモの助もまだ中に！」

首と下半身しかない侍はシュールで、あまり話が入ってこない。誤解されては困るが、ちゃんと聞いてはいる。

「うん。ここにいるのは全員じゃないよ。新しい子達はまだ名前も覚えてないし」

後ろの方で話を聞いていた子供達は不安そうにそう言った。ナミ達から話は聞いたが、恐らく誘拐の線が濃いらしい。体は大きいが、中身は子供だ。こんな小さな子達が親から引き離されるのは相当寂しいはずだ。