41話 ページ44
「ゔぅッ…あ…」
私の言葉が気に食わなかったのか、ドフラミンゴは私の腹部を2、3度蹴った。
「おい！やめろ！」
トラ男の声が聞こえた。その声は真剣そのものだった。
「おいおい…ロー、随分と麦わらの一味に肩入れしてるじゃねェか…
Dのことだけとは考えられねぇな…」
ドフラミンゴの言葉にトラ男は眉間に皺を寄せた。
だが、Dのことってなんだろう…
「入れ込んでるのは、麦わらの一味か？…それともこの女か？…フッフッフッ」
そう言って、ドフラミンゴは私の首を締める。
肺に息が…
苦しい…
意識を失う寸前で手を離された。やっぱり、この男は私を殺す気などさらさら無いのだ。狙いは…異世界人の私なのか、このハニハニの実の能力なのか…いや、この男は全て知っている口振りだった。恐らく両方だろう。政府が何としても手に入れたい異世界人と、この偶像を操る力…奴がどちらも手に入れて仕舞えば…どうなってしまうか…
…回想
「いいですか、A様！
絶対に政府の人間に気を許してはいけません。
あの手の者は、異世界人を恐れていて、自分の手中に置いておきたいと思っているんです」
「じゃあ…政府の人達以外なら、信用してもいいの？」
「ダメです！相手をしっかり見て、どんな人間か観察するんです。世論や見てくれに騙されてはいけません。
その人が信用に値する人だと分かるまで、警戒を解いてはいけない。
貴女様の存在が知られることのないように、貴女様はこれから自身を偽って生きてください」
「自分を偽るなんて…出来ないよ、そんなの…」
「貴女が悪意ある誰かの手に渡ってしまうだけで、多くの人が危険な目に遭い、多くの人の希望が失われる。
そのことをしっかりと自覚なさってください」
…
今の私はちゃんと自覚してるよ。
だから、罪悪感も感じながらも、仲間にずっと秘密にしてきた。
言う通りに私という存在も、偽って生きてきたよ。
いや、それは違うか…私は都合のいいようにそれを解釈した。
異世界人であることも、オラクルで起きたことも…全部忘れていたくて、思い出さないように封印していただけ…
私はその記憶をないものとして、新しい自分として生きようとしていた。
これはきっと逃げてるってことだ…
でも、もう目を背けている場合じゃない…
〜〜
回想シーンはオラクルにいた時のものです。
夢主ちゃんはもとは少し臆病で、自分に自信のない女の子でした。(今もですが…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんころ | 作成日時：2021年6月20日 18時
