20話 ページ22
モニターが現れ、外の景色が映ったかと思えば、謎の巨大なスライムがいた。何やら、実験を始めるらしく、その巨大なスライムに巨大な飴玉を食べさせた。すると、スライムはヘニャヘニャと形が保てなくなり、気化した。
スライムと同じ紫色のガスとなり、広がっていく。逃げ遅れた研究所の人達はガスに取り込まれ、助けを求めて手を伸ばしたまま、白く固まっていく様はまさに地獄絵図。
ゾロ達はなんとか逃げている様子だが…
「シュロロロ…流石にお前の仲間はしぶといなァ。だがやがて、息も切れ、ガスにやられる。やがて広がる何も生きられない死の国！この研究所の外にいる連中はもう誰1人生き残れやしない！お前らもなァ！」
ガコン…
檻が傾き、体が壁際に寄せられる。後ろから冷たい空気が感じ取られることから、外に出されるようだ。私達も実験体ってわけだろう。
研究所の真上に檻は吊るされた。映像でんでん虫がこっちを見ており、この映像を配信しているのだろう。この檻にいるのはビッグネームばかり…裏社会の奴らにとっては余興として見るに最適だ。
「よーし…とにかく困ったな」
「…ヴェルゴの登場は想定外だったが、麦わら屋…俺達はこんな所でつまずくわけにゃいかねぇんだ…作戦は変わらず…今度はしくじるな！反撃に出るぞ」
勿論私達だってこんな所で諦めるつもりは毛頭ないが、一体どうするつもりだろう。
「この檻の中で誰かモノを燃やせる奴は？居なきゃ別にいいが」
「火なら、フランキーだ！ビームも出るぞ。そうだ、お前ビームでこの鎖焼いてくれよ！」
どんだけビーム推しなんだ…ビームで鎖を焼いたら、私たちは無事で済まないだろうに。
「ラディカルビームは両腕をしっかりキメねぇとでねェ。今出るのは尻からクー・ド・ブーくらいだ」
「向かって右下の軍艦を燃やせるか？」
フランキーはお安い御用だと言って、大きく息を吸う。
「フランキーィ・ファイヤーボール」
メラメラと軍艦が燃え始め、風でこっちに煙が流される。ゴホゴホと咳き込むわ、目に煙が滲みるわで最悪だ。
「さて…」
ガシャんと音を立てて、トラ男の鎖が外れた。
『！？』
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年6月20日 18時
