検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:48,729 hit

ページ5

_


当たり前だけど、高専は12年前とさして変わっていなくて、懐かしさと安心を与えてくれた。



悟は随分と親切にいろいろ説明してくれたり、校内を案内してくれたりした。





夜蛾先生に挨拶しに行った。


彼も例に漏れず私のことは綺麗さっぱり忘れていたけれど、学長になっていたのは驚いた。



彼は「悟に一任する。」と、部外者である私が高専に居座ることを許してくれた。


居場所があることが嬉しい反面、本当にここにいていいのだろうかという迷いが常に頭の中にあった。





_




「気になったんだけど、なんで4級なの?」



使っていいよ、と言われた部屋の前で、悟が聞いてきた。



「…えっと、ウチがちょっと面倒臭い家で、昇給が邪魔されてるんです。」




面倒臭い家、なんて生易しい話じゃない。


生まれてからずっと恨んできた実の父親。



“あの日”の光景が、脳裏に焼き付いている。



思い出して吐き気が込み上げてきた。




「…それと私、術式使えないので、どっちにしろあんまり強くないです。」


嘘をついた。



悟を殺した血と、術式。


私はもう、出雲の“呪われた”術式を使わない。



だから___



「じゃあ、今日はゆっくり寝なよ。」



「__、」



彼の声で現実に引き戻される。


「____おやすみ、Aちゃん。」



「おやすみなさい。」




私に向けられたその笑顔を見て、少しだけ吐き気が和らいだ気がした。

朝靄→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1321人がお気に入り
設定タグ:五条悟 , 呪術廻戦 , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あの - 一気読みしてしまいました!過去編のとこでおもわず涙目に...更新頑張ってください!楽しみです! (2021年11月13日 11時) (レス) @page11 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
あぼかど(プロフ) - 愛実さん» ありがとうございます!! (2021年11月7日 21時) (レス) id: 05c605812e (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃくちゃ大好きです!!!更新、頑張ってください!!!! (2021年7月1日 17時) (レス) id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
あぼかど(プロフ) - Niriさん» ご指摘ありがとうございます!直させて頂きました。 (2021年3月25日 7時) (レス) id: 05c605812e (このIDを非表示/違反報告)
Niri(プロフ) - なんか、むっちゃ好きです!←語彙力 (見間違いだったらすみません!お知らせ含めて、上から5番目の話で、五条が「東京都立呪術専門高等学校!」と言っていたと思うんですが「東京都立呪術高等専門学校」が正しいほうではないでしょうか?) (2021年3月25日 7時) (レス) id: c741d9f668 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あぼかど | 作成日時:2021年2月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。