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突然のことだった。



ついさっきまで闇の中にいたのに、気がついたら私は岩の地面に座り込んでいた。



そして、



「…君、なんでこんなトコに封印されてんの?」



男の人の声が降ってきた。


聞き間違えるはずなんてない、懐かしい声。






「悟、!」と、思わず声が出そうになったが、長い間声を出していなかったからか、浅い吐息が溢れるだけだった。



紛うことなき彼の姿を確認して、目の奥がつんとなる。



_____よかった。ちゃんと、生きてる。




目の前の悟はちゃんと生きていて、最後に見た血まみれの状態とは別物だった。


それが嬉しくて、再び会えた喜びと重なって、つい込み上げてくる涙を必死に堪えた。




ひとまず彼の問いに『…いろいろあって…』と誤魔化して答える。


掠れているが、なんとか声は出せた。




“なんでこんなトコに封印されてんの?”


その口調で、彼が私のことを綺麗さっぱり忘れていることを思い知らされた。



分かっていた。

分かっていたけれど予想以上に辛くて、また泣きそうだったから、なんとか笑顔を取り繕った。




それから、なぜここにいるのかとか、何者なのかとかを訊かれた。



『呪術師の任務をしていたら何者かに封印されてしまった』と、曖昧な答えを並べた。



悟は幾らか背が伸びて、サングラスではなく黒い目隠しをしていて、口調や対応が心なしか丸くなっていた。



けれど彼の纏う雰囲気とオーラは、私が知る悟そのものだった。






「まぁ聞きたいことはいろいろあるけど、雨降ってるし寒いからとりあえず山降りるよー」



そう言って彼は私を抱きかかえた。



驚く私をまるで気にせず、彼は雨の中を進んだ。




暗い夜の中で、彼の手の温かさを思い出した。

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あの - 一気読みしてしまいました!過去編のとこでおもわず涙目に...更新頑張ってください!楽しみです! (2021年11月13日 11時) (レス) @page11 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
あぼかど(プロフ) - 愛実さん» ありがとうございます!! (2021年11月7日 21時) (レス) id: 05c605812e (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - めちゃくちゃ大好きです!!!更新、頑張ってください!!!! (2021年7月1日 17時) (レス) id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)
あぼかど(プロフ) - Niriさん» ご指摘ありがとうございます!直させて頂きました。 (2021年3月25日 7時) (レス) id: 05c605812e (このIDを非表示/違反報告)
Niri(プロフ) - なんか、むっちゃ好きです!←語彙力 (見間違いだったらすみません!お知らせ含めて、上から5番目の話で、五条が「東京都立呪術専門高等学校!」と言っていたと思うんですが「東京都立呪術高等専門学校」が正しいほうではないでしょうか?) (2021年3月25日 7時) (レス) id: c741d9f668 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぼかど | 作成日時:2021年2月17日 0時

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