拾いませんか。 [ar×in]

18話　in side ページ18

____幼い頃の夢を見た。


あの日は確か、俺は中学生で、クラスは確か1-A。

学年主任の、歴史の先生。
話の長い、おじいちゃん先生のクラス。


今は、そのおじいちゃん先生の授業真っ最中。


歴史の授業ってのは、何故か眠くなる。
おじいちゃん先生の話し方は、絵本の朗読みたいで、もっと眠くなる。


バレないように、教科書で顔を隠し、こっそり仮眠しようとしていた。

すると、

「伊野ちゃん」

耳が遠いおじいちゃん先生に聞えない位の
小さな声で、隣の席の奴に話し掛けられた。

「寝ちゃダメでしょ、
また叩かれるよ？」

そうだった…
あの先生、教科書で叩き起こすんだよ…

「あー…
ま、いいや。叩かれる位だったら慣れっこ、慣れっこ！」

眠気だけには、勝てない。
寝るしか対処法がない。

「はぁ…
折角、優しい優しい俺様が忠告してやったのに。
どうなっても知らないぞ？」

あぁ、そういえば、
コイツはお調子者だったなぁ…

こういう所が面白くて、

クラスの人気者で、

「つーか、お前ちゃんと寝てる？
いっつも眠そうだけど…」

世話焼きで、

「よく言われる笑
元々眠そうな顔してるだけ！」

「そっか…

確かにそうだな！」

笑顔が素敵で、

「んじゃ、おやすみ」









　









俺の、初恋の人。

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