拾いませんか。 [ar×in]

16話 ページ16

「ふわぁぁー…」

伊野ちゃんが大きな欠伸をした。

俺は、伊野ちゃんから逸らしていた目を、時計に向ける。

針は、1時を指していた。

「あー、もうこんな時間か、寝よう。

伊野ちゃんは、ベット使っていいよ。
俺は、ソファーで寝るからさ」

ソファーを指指すと、
伊野ちゃんは首を横に振った。

「だーめ！
風邪引いちゃうよ、そんな所で寝たら。



せっかく大ちゃんのベット大きいんだし、二人で寝ようよ。ね？」

ぶっ、と何も入っていない口の中から
何か出そうだった。

確かに、俺は、寝るのが好きだから一人で寝るには大きめの、
余裕のあるベットを買った…

だ け ど

今日初めて会った男と。
しかも、今まで、ああいう事をして生きてきたような男だ。

「俺、襲われるんじゃ…」

「ん？
あー…大丈夫！そういう事はしないからさ！
というか、俺、自分から攻めないし、襲われる方だし。」


そういう問題じゃないと思うが…

　
　









…まぁ、でも、信じてみようかな、この人の事。
少なくとも、悪い人ではないって、一緒に居て、わかった気がするから。


「わかった。

一緒に寝よう！」


「そう来なくっちゃ！」


ベットに入る。


「おやすみ！」

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