その瞳は【ニューダンガンロンパV3】

ばーか　/　王馬 ページ6

「Aちゃーん！」


「……」


「無視ー？俺傷つくっ…嘘だけど！」


「あーもー！何なの！！」


先程から隣でぎゃんぎゃんと煩いこいつは王馬小吉。
私とは幼馴染みってだけ。それ以上もそれ以下も無い。


「ちぇーっ。あの夜のAちゃんはすごく可愛かったのに…」


「…あの夜？」


「まさか覚えてないの？俺と愛し合ったのに？小吉、小吉って可愛かったのに？？忘れたの？」


「捏造しないでよ！」


まず愛し合った、の意味が分からない。確かに昔夜に家に入れた事はある。寝てる時に入られた時もある。
だが可愛いとかそんな感情を抱く場面なんて無かったはずだ。

…あの時の王馬の寝相は酷くて、顔をグーで殴られたり服引っ張られてボタンが外れたり、バイオレンスだった。
その度に朝「いつにも増して不細工だ」とか言われていた。


「んー……

俺どうせ死ぬならAちゃんとが良いなぁ。」


「また嘘でしょ？」


「…さぁ、嘘かな？」


彼の発言はだいたい嘘だ。
他愛の無い会話の一文の中でも適当な嘘を吐く。
この状況でのこの発言は少し怖い。本当にやってしまいそうな奴だから。
…だから嫌われるのに。


「あのさ、Aちゃん。
好きだって言ったらどうする？」


「…嘘だって決めつける」


「にしし、まあ嘘であることに変わりは無いんだけど…ちょっと違うんだよね。
あ、そろそろ時間！じゃーねー！」


意味深な発言を残して去っていった王馬の背中を見送って、ふとポケットを触ると紙のような感触。

綺麗に折り畳まれていて、それを開いてみると、




　




(嘘の嘘はね)

(実は本当なんだよ)


＿＿＿＿
(王馬くんってこんなのだっけ…)

これから　/　王馬　（ヤンデレ）→←水　/　キーボ

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