【赤羽 業】ロボットの恋3

願い75（終） ページ25

カルマside



Aの首に付いていた器具
あれはもう１つの心臓といってもいいほど



大事なものだった
心臓の動きを補助するものらしい



特殊な電波を流すとかなんとか…
心臓に負担がかかっていた今の彼女だと



外してから約３０分で
心臓の動きが弱まり停止する



Aが俺の部屋に来た時
首に器具を付けていなかったから



Aがもうすぐ死ぬとわかった



…




あれから数ヶ月


殺先生の暗殺に成功した



分厚くてアコーディオンみたいな卒業アルバム
そのアルバムの表紙をめくると何かを発見した



スマホのＳＤカード
皆にはなくて俺にだけ




周りがバタバタしていて
ＳＤカードを確認できたのは１週間後



俺はマンションに帰り
１人静かにＳＤカードをスマホにさした



カードのメモリーをダウンロード
先生は何を俺にだけ残したのかな



ダウンロード完了



『あの…お久しぶり、です』



赤羽「…A？」



スマホの画面に現れたのは
間違いなくAだった



律と全く同じ、だけど
プラスチックを体内で自由に形成できないし



ましてや銃を装備して
攻撃、なんてできないけど



またこうして会って話せるだけで
満足だ



『迷惑…でしたか？』



赤羽「迷惑の反対。
最高だよ、あの先生は」



『時々でいいので
お話して下さいね』



赤羽「勿論」



“赤羽カルマ君が幸せになりますように”


Aの願いが叶った瞬間だった





(終)

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