【赤羽 業】ロボットの恋3

願い69 ページ19

Aside



先ほどまでトントンと
リズムよく切っていたのに



赤羽君が来てからはぎこちない
リズムになった



明らかに緊張している
少し後ろを振り向いてみると



バッチリ目が合った
すぐに視線を手元に戻す



赤羽「エプロン、似合ってるよ」



恥ずかしい
ダイニングルームにいる赤羽君と父



父は研究の書類をまとめていた
それを赤羽君が手伝っているらしいけど



情報漏洩になっていないか不安になる
もしそうなっていたら怒られるのは父だ



まぁ、赤羽君が外部に
情報を流すことはないと思うけど



母「次はこのサラダを４等分に分けて」



『…』



母「どうしたの？」



母の癖
食べられない私の分まで作ってしまうこと



きっと私にも食べてほしいんだ
母は料理上手で好きだったから



私が喜んで美味しそうに食べるところとか
いっぱい作っても綺麗に食べるところが



“食べても吐いてしまうだけだよね？”



メモ帳を父に見せる
眉間にシワを寄せた父が頷いた



“少しだけなら食べてもいい？”



父「…無理はするなよ」



母から４枚のお皿を受けとると
母は涙ぐんでいたけど嬉しそうだった



嘔吐って苦しくてツラいけど
母が喜んでくれるなら我慢する



ロボットでも親孝行したいから



赤羽「…」

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