【赤羽 業】ロボットの恋3

願い51 ページ1

Aside



翌日
目を開ける



隣にはまだスヤスヤと気持ち良さそうに
寝息を立てている赤羽カルマ君がいる



腕からプラグを抜く
充電タンクは１００％だ



ほんと、なにもかもロボットで




『…』



私は３月になれば死ぬ
願いを言うと寿命を終えてしまうロボット



そんなの
叶うなんて保証はどこにもないのに



すがるしかできないのが人間の弱いところ



私に与えられた使命は殺せんせーの暗殺
代わりに誰かが殺しても



私の存在は危険物
すぐに処分されてしまう



赤羽「…」



私が人間だったら赤羽君の彼女で
いられることにもっと幸せを感じるのに



虚しい



むくっと起き上がった
そーっと彼を起こさないように布団を出る



はずだったのに
腰に巻き付いてくる赤羽君の腕



赤羽「腰…細い」



恥ずかしくて心臓が出そうだ
小さな心臓が脈をうつ



まだ寝ぼけている赤羽君
こんな姿を見られるのも彼女の特権だ



赤羽「今日、何する？」



『…』



喋られないロボット
必死に考える



何も予定がない日曜日
ゴロゴロするのも悪くないだろう



でも私の寿命は残り数ヶ月
ゴロゴロするのは時間の無駄だ



サイドテーブルに
置いてあるペンとメモ帳を手に取る



“紅葉、見に行きませんか？”

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