【赤羽 業】浮気メイド15

主従373 ページ23

Aside



昼休み
保健室に弁当を持って行く



朝行った時は
まだ先生はいなくて保健室も閉まっていた



『失礼します』



ドアを開けて中へ
苦いコーヒーの匂いがふわりと迎えにくる



先生はニッコリ笑顔で歓迎
向かい合って座った



『居心地いいので来ちゃいました』



「いつでもいいよ。コーヒー、入れるね」



『ありがとうございます』



今日のお弁当
ほとんど昨日の余りだ



手を合わせてから食べ始める
兄が作る弁当はおいしい



先生からホットコーヒーが
入ったマグカップを受け取る



湯気がゆらゆら揺れている



「上靴、拾ったよ」



『え？』



「さっき校舎裏まで散歩していたら
蒼山さんの名前が書いてある上靴見つけて」



先生が持ってきた上靴
間違いなく私の上靴だ



立ち上がろうとすると
先生から座っててと言われた



頭の上にハテナを浮かばせていると
先生が片膝を床につけた



『…先生』



「どこかの王子と姫みたいだね」



先生が私の足を持って上靴を履かせてくれた
これがガラスの靴なら雰囲気もあったと思う



でもこれは上靴だし
私達は生徒と先生



どう転んだって私達は



「カルマと…どうなったの？」



『もう…無理っぽいです』

主従374→←主従372

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す