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吸血26 ページ1
カルマside
赤羽「起きた？」
細かい砂の上に座る 冬の浜辺
腕の中で眠っているお姫様の額に目覚めのキス
波の音は荒れた心を落ち着かせる
潮の香りが俺達を包んでいく
ボーッとしているAに刺激を与えたくて
唇のすぐ下に吸い付いた
『ｯ………何、を』
赤羽「何だと思う？」
貧血の彼女は肌が白い
完全に覚めるまで時間がかかるみたいだ
唾をゴクリと飲み込む
彼女の首筋と指に固まっている血を見ると
喉が渇いてくる
『どのくらい気絶してましたか？』
赤羽「２時間ぐらいかな」
『すみません』
Aは立ち上がろうと腕の中で動く
体制を崩したのか彼女に押し倒された
『すみ、ません』
貧血が酷いらしい
目眩に苦しめられている
たまには押し倒されるのも悪くない……なんてね
Aを支えながら立ち上がった
体重が軽い
足元ももたついている
何もかも大量に吸血した性格が悪い後輩のせいだ
もし殺してしまったら…
触れることも
溺れることも
名前を呼び合うことも
些細な事で喧嘩をすることもできないのに
人間にとって“後悔”は
１番の枷
身動きが取れなくなる
赤羽「何か食べに行こっか」
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作者名：眺花
| 作成日時：2017年1月28日 19時
