赤羽「触れて溺れて吸血へ」 (ページ27)

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吸血24 ページ27

カルマside

低い声が耳に突き刺さる
一瞬誰かわからなかった

Aも後輩の言葉が聞こえたらしくて
俯いて目を伏せていた

吸血鬼は乾きが限界に達すると我を失う
恐らく後輩は乾きが限界なんだろう

赤羽「悪いけど…他の女でも見つけて
くれないかな。Aは俺のだから」

伏せられていた目が一気に開かれた
眼が揺れていて頬が薄く赤く染まっている

Aをゆっくり降ろして抱き寄せた
俺と同じシャンプーの匂いを堪能

これ以上彼女を悲しませたくないので
電話を切った

Aの前髪をかき上げて額に吸い付く
熱が出たみたいに熱い

『赤羽さん。デート…行きませんか』

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デート…の定義を忘れた
恋人同士の外出をデートというはず

はたして俺達は恋人というのだろうか

『赤羽さんの服を着て出掛けるなんて
ちょっとワクワクしますね』

彼女が着ているのは俺の服
ダボッとしていて女性らしさが無い

それでも彼女は嬉しそうにはしゃいでいた
まるで俺は保護者みたいだ

赤羽「どこ行きたいの？」

『海です』

真冬の海
夏に比べて人は少ないけどボチボチいる

靴のまま歩くと中に砂が入るので
俺もAも裸足になった

一定の間隔で足跡を付けて
潮の香りを感じながらただ歩く

『……赤羽さんが愛した人って』