赤羽「触れて溺れて吸血へ」 (ページ17)

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吸血15 ページ17

カルマside

俺があの人を殺した場に
監視カメラも目撃者もいなかったはず

俺が殺したという証拠がない

遺体は湖に沈めた
だが誰かが見つけたとニュースで聞いた

『いろんな吸血鬼達に聞きました。
でも手がかり無しです』

赤羽「殺すって言っても
吸血鬼ってなかなかしぶといと思うよ」

『でも…この手で私が仇を取りたいんです』

目の前にいるっていうのに
Aは頑張って練った作戦をべらべら話す

だんだん可哀想に思えてきた
けど暴露するつもりもない

俺が捜してるターゲットだ
って知ったらどんな顔するのかな

赤羽「殺せるといいね」

『はい。…ｯ…』

遊んでいた子供達が
うっかりAの頭にボールを当ててしまった

無痛症の彼女には痛くないだろう
ボールを拾って１番近い子供に投げた

赤羽「大丈夫？」

『……これが痛み？
何て言ったら…いいのかな』

痛みを誰かに伝えるのは難しい
ましてや今まで痛みを感じた事がない彼女の事だ

言葉選びに苦戦するのは当然
口を開けては閉じての繰り返しだった

赤羽「無痛症が直ったの？」

『わかりません。試しに何かして下さい』

言われた通りAの頬を叩いてみた
少し赤く色付いている

『何もない…。私の気のせいでした』