赤羽「触れて溺れて吸血へ」 (ページ16)

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吸血14 ページ16

カルマside

墓参りが終わり近くの公園に来た
ベンチに並んで座る

目の前の１本道の向こうでは
小さな子供達が寒さを忘れて遊んでいた

深呼吸して肺に新鮮な空気を送り込む
少し落ち着いた

『母は吸血鬼に殺されたと聞きました。
苦しんで死んだと思います』

まさか子供を産んでいたなんて
これっぽっちも聞いていなかったから驚いた

母親の血液を受け継いだのかな
血の甘さが似てる

赤羽「会ったことあるよ。君のお母さんに。
とても綺麗な人だった」

『貴方が私の父なんですか？』

赤羽「………違うけど」

父親に会ったことないのか
あの人が特定の人を持つタイプには見えない

写真は？と聞いてみたけど
Aは無言で首を横に振るだけ

『私…Aです。好きに呼んで下さい』

赤羽「ぇ……う、ん」

『私と一緒に捜してくれませんか？
誰が母を殺したのか』

胸が痛んだ
何て答えればいいのかわからなかったけど

こんなに真っ直ぐ見つめられたら
断る事なんてできなかった

一言で言うと“困った”

赤羽「捜してどうするの？」

『殺します』

果たして若い女性がこんな事を言っていいのか
答えは誰も教えてはくれない

でも俺の横にいてくれるのなら
Aのお願いを聞いてあげようかな