赤羽「触れて溺れて吸血へ」 (ページ15)

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吸血13 ページ15

カルマside

赤羽「おはよ」

昨晩、吸血したおかげで喉が潤っている
Aは貧血で肌がいっそう白い

具合が悪いのが見ただけでわかる
血を飲み過ぎたかな

『今日…行きたい場所があるんです』

赤羽「わかった。連れていくよ」

着替えてホテルを出る
雨が降っているのでコンビニで傘を買った

朝食として焼きたてのパンも買う
手が汚れるのでAの口元まで運んだ

『おいしいです』

赤羽「食後には薬も飲んでもらうよ」

『嫌です。危ないので』

薬局で買った鉄剤なんだけど信じてもらえない
無理なら鉄分が豊富な食材を食べさせるしかない

パンの包み紙を捨てて
近くの手洗い場で手を洗った

赤羽「どこへ行きたいんですか？お嬢さん」

『お墓に…』

赤羽「……は」

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言われた通り墓地に来た
Aは手に花束を持っている

吸血鬼だからかな
昼間なのに霊が視える

『今日は母親の命日なので。すみません』

赤羽「気にしないで」

厚い雲のせいで薄暗い
その中で光満ちた幽霊が１つ

赤羽「…」

呼吸が止まる

『ここです』

俺が愛していた人間の名が彫られている
Aの母親だったなんて…

いろんな考えが頭の中を支配していく
吐き気がして頭痛がして

目の前の幽霊が微笑んでくれている事に
気づかなかった