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吸血10 ページ12
カルマside
「何で先輩がいるんスか…」
後輩はAを抱えながら俺から離れる
こいつの顔を見るのは何十年ぶりだ
女たらしで物言いが軽くて
俺は嫌い
そんな奴がAに触れてるだけで
彼女が汚れる
赤羽「その子とはどこで知り合った？」
「道端で…俺がナンパして偶然」
赤羽「いつ？」
「５年前…」
首筋から垂れる真っ赤な血を後輩が舐め取る
あぁ……気持ち悪い
これが独占欲なのか
イライラする
近づいてAの腕を掴んだ
勢いよく後輩が俺の手を払う
「俺が契約した女なので触らないで下さい」
赤羽「契約？」
後輩の話を聞くとAの仕事は
血を売る代わりに泊まる場所を提供させる事
値段は１回２０００円
とても若い女性がする仕事ではない
やめさせたいのが本音
でも簡単にやめないだろう
赤羽「その子は俺が連れ帰る」
「先輩が？
俺、結構この子に惚れてるのに」
赤羽「また入院送りにされたいの？」
後輩がブーブー言いながら俺にAを渡す
貧血のせいか手足が冷たい
会った時から懐かしい感じがする
傍に置いておくと落ち着く
我慢できなくてAの頬にスリスリ
胸がキュッと苦しくなる
「先輩もAに惚れてるんですか？
いいですよね、その女」
赤羽「惚れてないよ、絶対に」
もう人間は好きにならない
堅く誓った事だから
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作者名：眺花
| 作成日時：2016年12月4日 11時
