【赤羽 業】反発メイド

主従16 ページ18

Aside



手を抑えられてるから涙を拭う事ができない
人の前で泣くとかバカみたい



『早く…どいてよ』



赤羽「ぇ……あ、うん」



カルマがのそりと私の上からどいた
私は落ちてるリボンを持って１階の洗面所へ



家の構図は昨日でだいたい覚えた
まだ入った事がない部屋もあるけど



蛇口をひねって冷水を出す
涙なんか吹っ飛ぶぐらい顔を洗った



冷水のおかげで顔が冷たい
タオルで顔を拭いてるとカルマが入ってきた



私は無視するかのように横を通り過ぎる
珍しく何もしてこない



これが望みだったから寂しいとは思わない
窓から外を見るとまだ雨が降っていた



雷は鳴ってないし１人で帰れる
早速帰る準備でもしようかな



赤羽「メイドさん。朝御飯まだ？」



『適当に食べてて。私帰るから』



階段を上ろうとしたらカルマの
長い足がバリケードのように邪魔をする



どかそうとしても動かない
彼の顔は見ただけでわかる怒った顔



赤羽「メイドが主人に命令すんなよ」



『そんなの知らない。さっき撮った
寝顔の写真もメイド姿の写真も消して』



赤羽「喧嘩で勝ってから言えば」



一瞬すぎて何が起こったのかわからない
何で私…また押し倒されてるの



カルマの表情は怒っていた顔から変わり
私を苛める顔に変化



片手には御約束のシャッターモードのスマホ
カシャッと鳴る乾いた音



赤羽「驚いた顔ゲット。御馳走様でした」

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